日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2022年7月29日会社で話が続かない! ~ その解決策とは?

皆さんは、学校時代に友達や近所の人と、また社会人になってからも職場の人達や取引先の人と雑談をしてきたと思います。そうした際に、話が続かなくて困ったという経験はないでしょうか。また、雑談に限らず、大事な商談やプレゼンで話すことがなくなって黙ってしまったという経験はありませんか。話が続かないと何とも気まずい雰囲気になりますよね。そこで、今回は話が続かないことへの対処法をお話しします。




★話が続かない状況


例えば、会社でエレベータを待っている時に、余り親しくない同じ職場の人と一緒になることがあります。その際、「何か話をしないと」と思いながら、どんな話をすればいいのかわからないのでずっと黙ってしまった、ということは多くの人が経験したことがあるでしょう。黙っている時間は何とも気まずいですし、時間がなかなか過ぎてくれない感じがします。なるべく経験したくない時間です。


また、お取引先と面談した際、世間話をしたいけど気の利いた話題が思いつかず、沈黙の時間が続いてしまった、ということもありがちです。お取引先から嫌われると営業成績にも影響するので、何か話をせねば、と焦れば焦るほど話が出てこない。結局、通り一遍の仕事の話だけをして終わってしまう。もしうまく世間話ができれば、相手との距離感も縮まって、新たな注文をいただけたかも知れません。そう考えると少し勿体ないですね。


更に、最近はオンラインで会議や商談を行うことが増えてきました。オンラインだと自宅などで話をすることができるので手軽に会議などを行うことができます。一方で、オンラインはリアルよりも空気感がつかめず、話しにくいという声もよく聞きます。また、何となく参画意識も薄くなるので、発言が少なくなりがちです。その結果、沈黙の時間が多くなり活発な話す場にならないということも起こりがちです。




★なぜ話が続かないのか


話が続かない状況を幾つか上げてみました。皆さんにも上に述べたような経験がきっとあると思います。では次に、どうして話が続かないのか、その原因について考えて見たいと思います。



◆話のネタがない

話が続かない原因の1つ目は「話のネタがない」ということです。そもそも話すことがないのなら話せないのは当たり前です。しかし、この当たり前のことに気付いていない人が意外に多いのです。いつも話が続かない訳ではなく、気楽に話せる場合もあるので、たまたま話そうとした時に話題が思いつかないだけだと思ってしまうようです。しかし、多くの人が話のネタを十分には持っていないのが現実です。実は、話すことに苦手意識を持っている人と話してみると、大抵の人は自分の中に話すネタをもっていないことがわかります。案外見過ごしがちな原因です。



◆話をする勇気が出ない

2つ目の原因は「話をする勇気が出ない」ということです。話に苦手意識を持っている人は、できるだけ人との話を避けようとする傾向があります。そういう人は、人と話すにも少しだけ勇気を出す必要がありますが、苦手意識が邪魔をしてその勇気がなかなか出せません。従って、気軽に人に話しかけることができませんし、勇気を出して話しかけてみても、緊張しているので話が途切れがちになります。実は私も人に話しかける時に勇気を必要とするタイプですが、その勇気がなかなか出ないので、この気持ちは良くわかります。



◆反応が薄い

3つ目は「相手の反応が薄い」ことです。これは話し手ではなく、聞き手の方の原因です。話をしても相手がつまらなそうな顔をしていたり、あいづちも打たずうなずきもしなければ話しにくいですよね。特にオンラインでは、聞き手の反応が薄くなりがちです。私はオンライン会議で発言が出ない大きな原因は聞き手の反応の薄さにあると思っています。スピーチのように一方的に話す場面でも、話し手は聞き手の反応を見ながら話しています。うなずいてくれる人がいると、「あっ、自分の話はちゃんと伝わっている」と思って、安心して話せます。このように、話はどんな場合でも双方向行為です。聞き手の反応が薄いと話し手は話を続けにくいのです。




★雑談の目的


ところで、話が続かない典型的な場面はやはり雑談でしょう。ここからは、雑談で話が続けるにはどうすればよいか、ということを中心にお話します。まず、その前に、皆さんはどうして雑談をするのでしょうか。私たちのあらゆる行動には、それを行う目的があるはずです。従って、雑談にもそれを行う目的があるはずなのですが、それは何なのでしょうか。こうしたことは余り考えたことがないと思います。日本話し方センターでは、雑談の目的は「人間関係を良くする、深める」ことだとしています。お互いに気楽に会話を交わしながら親しみを深め、関係を良くしていくために雑談をするのです。まずこの目的をしっかりと押さえておきましょう。



★どうすれば話を続けることができるのか


では、人間関係が良くなるような雑談はどうすればできるのか、幾つかその解決策を紹介します。



◆質問で会話を進める

1つ目の解決策は「質問をしながら会話を進める」です。雑談でなかなか話が続かない人は、「何か話さないと」と焦っているはずです。しかし、人間関係をよくするという雑談の目的を考えれば、むしろ相手に気持ちよく話をしてもらう方がよいはずです。人間は基本的に話をするのが好きなので、自分の話を聞いてくれる人には間違いなく好感を持つでしょう。そして、相手に話をしてもらうために、質問をしながら会話を進めましょう。「最近は健康ブームですが、体のために何かしていますか?」「最近暑いですが、ランチはどんなものを召し上がっていますか?」「そのシャツ、とってもかっこいいね。自分で選んだの?」など。人は自分のことを聞かれると喜んで話をしてくれます。ぜひ質問で会話を進めて下さい。



◆話のネタを集める

2つ目は「普段から話のネタを集めておく」ということです。質問をするにしても、その場で思いついたことばかりしていては話が続かなくなる可能性があります。相手の興味がありそうな質問をするために、広く浅く話のネタになりそうな情報を集めておくととても有効です。「今年のスワローズは強いですね。何が勝因なんでしょうね」「今回の朝ドラは沖縄が主な舞台ですが、Gさんは以前に沖縄には何度も行かれているんですよね?」「アウトドアがブームですよね。Hさんもお好きと聞きましたが、最近どこか行かれましたか?」など、相手が興味がありそうな話題を少し出して質問すれば、相手はきっと喜んで話してくれます。その話に「へぇ~、それは誰が考えたんですか?」「沖縄の何が一番お好きなんですか?」「キャンプ場での料理はお子さん達も手伝われたんですか?」などと更に質問していけば、話が続き、お互いに楽しい時間が過ごせるでしょう。



◆挨拶をする

3つ目は「挨拶をする」です。この解決策は少し意外に思われたかも知れません。しかし、相手に話しかけたり、話を続けたりする勇気を持つためには、とても有効な解決策なのです。話をする場面ではなく、普段から職場やご家庭、お店などで、相手の顔をしっかりと見て、元気よく「おはようございます!」「ありがとう!」などと挨拶をするのです。これを繰り返しているうちに、人に挨拶することに慣れていきます。その結果、人に話しかける勇気も少しずつ出てくるのです。これは私自身が体験していることです。少し時間はかかりますが、確実に効果がありますので、ぜひやってみてください。



◆あいづちを打つ、うなずく

最後は「あいづちを打つ、うなずく」です。質問をして相手に話をしてもらっても、あなたが興味がなさそうな態度で聞いていては話は長続きしません。ぜひ「あなたの話をきちんと聞いていますよ」という態度を示してください。そのためには話を聞きながら「なるほど~」「へぇ~」「うんうん」などとあいづちを打つのが効果的です。また、うなずきながら聞くことがとても重要です。これは特にオンラインで人と話をする際に、大きな威力を発揮します。先に述べたように、オンラインでは聞き手の反応が薄いために話がしにくいのです。あいづちやうなずきがあれば、自分の話をきちんと聞いてくれていることが確認できて、話し手は安心して話すことができます。




ベーシックコースで話し方を学びませんか?


今回は話が続かない事に対する解決策をお話しました。日本話し方センターのベーシックコースでは、日常会話をスムーズに行うことや、人前であがらずに話すことなど、コミュニケーションに関するあらゆる解決策を提示し、その人その人に合ったトレーニングを行っています。ぜひ受講をご検討ください!

>横田章剛のブログTOP